なぜマッサージは気持ちいい？知って欲しい「皮脳同根(ひのうどうこん)」という言葉

サロンで足裏セラピーを受けるとき、なぜあんなにもリラックスできるのでしょうか？終わったあとは足の気持ち良さはもちろん、心までスッキリしていることはありませんか？

極端なことを言うと家族や友人など、マッサージの勉強をしたことのない人に腕などを撫でられるだけでも、案外気持ちいいことがありますよね。

私たちの皮膚は、脳ととても密接な関わりがあります。今回はそんな不思議な関係について、解説したいと思います。

皮膚と脳の関係を表す言葉「皮脳同根」

皮膚と脳の密接な関係を表すもののひとつに、「皮脳同根(ひのうどうこん)」という言葉があります。皮脳同根は、セラピストやエステティシャン、そして看護や介護の現場などでもとても大切にされている言葉です。

私たちが生まれるずっと前。受精卵から始まって、細胞分裂を果てしなく繰り返すことでだんだんと身体が出来ていきます。

受精卵はまず「内胚葉」「中胚葉」「外胚葉」の3つに分かれます。そしてそこから、いろんな部位へ分裂をしていくのですが、皮膚の表面である「表皮」と「脳神経」は同じ外胚葉から形成されていきます。

このように元々は同じところからできているため、誕生して大人になった今でも、皮膚と脳はとても関係が深いとされています。

例えば、ストレスを受けたときに、脳から肌へ伝わり肌荒れが起きることがあります。

ほかにも、背中をさすってもらうとホッとすることや、スキンケアをすることで気分が落ち着くのにも、「皮脳同根」が関わっていると考えられています。

皮膚と脳の関係を知ったところで、日常生活の中にもできることを積極的に取り入れていきましょう！

仕事や人間関係により、ストレスを抱えている人は多いですよね。ストレスは次のような、あらゆる影響を及ぼす恐れがあります。そしてそれらを放ったままにしておくことで、身体の不調や肌荒れへとつながることに。

・イライラ

・集中力の低下

・疲れやすい

・冷え

・肩こり

・無気力感

私たちはストレス解消や気分転換はできても、脳を直接撫でることはできません。

しかし、肌にやさしく触れることは深いリラックスにつながり、それがストレスの軽減に役立つことがあります。

次の3つはそれを利用した、おすすめの方法です。

自分の肌や身体をいたわるケアを「セルフタッチ」と呼ぶことがあります。

緊張して心臓がドキドキしているときは胸に手を当てることや、胃が痛いときには胃のあたりに手を置くことで落ち着くことがあります。

スキンケアを行うときにも、可能であればテレビなどはつけずに、自分の肌とだけ向き合う時間をつくるのがオススメです。

肌をやさしく包みながら深いリラックスを促して、自分をいたわることで気分もより前向きになるはずですよ。

時間に余裕のあるときは、ゆっくりとボディクリームを塗るのもいいですね。

家族やパートナー、友人などとハグをすることが大きなストレス解消につながることは、よく知られていますね。握手や、背中をポンポンとやさしく包むような簡単なスキンシップでも、不安や緊張を和らげることに役立ちます。

心を安定させて健やかに過ごすためには、日常生活の中で肌に触れる物にこだわることも有効です。下着、パジャマ、寝具、タオル、生理用品など、自分が心地いいものを揃えることは、幸福感をアップさせることにも役立ちます。

ボディクリームや入浴剤などもまた、使っていて気持ちがいいと感じるものを選ぶのもいいかもしれませんね。

足つぼをはじめとしたマッサージが身体全体だけでなく気持ちをほぐすことにもつながるのには、肌にゆっくりと触れることも関係しています。

足つぼセラピーを受けながら、身体だけでなく心もすごく疲れていたことに気がつく方も多いですよ。

足つぼが全身の部位にはたらきかけるだけでなく、肌に触れることで得られるリラックス効果にも期待できる足つぼは、とても理想的なリフレッシュ方法です。

お出かけ前や仕事帰りに気軽に立ち寄れるのも、お客様に喜んでいただけるポイントのひとつです。

本当に毎日頑張っている人が多いので、せめてサロンでケアを受けている間は、ゆったりどっしりと、身を任せてくださいね。

「皮脳同根」は、肌や心のケアに関わる職業の人だけでなく、誰にでも知っておいてほしい言葉のひとつです。

肌をいたわることが脳や、自分の心をいたわることに直接影響します。ストレスを感じたときや疲れているときはぜひ皮脳同根を思い出して、ゆったりとセルフタッチを行いましょう。

身近な人とのスキンシップや、プロの技術によるマッサージなど、自分に合った方法を見つけるために、ぜひ色んな方法を試してみてくださいね。